ケータイを開くと3時だった
私は今、桜駅にいる
佐々木は見えているのにここにいない
なぜ?
それは、佐々木がナンパされているからだ
「ねぇ、何て言う名前?」
「ごめん、約束があるからまた今度」
「えー、なんで?あそぼうよぉ」
「約束があるんだって」
「もう〜、メアドは教えてよ」
「ごめん、ケータイ忘れた」
「えー」
こっちへ駆けて来る
「ごめん」
「約束しといて」
「本当ごめん」
「まぁ、どうでもいいけど」
「もしかして、ヤキモチ妬いた?」
「はぁ?なんであんたにヤキモチ妬かないといけないの?」
「ごめん、冗談です〜」
調子狂う
「そんな本気になるなよ」
「うるさい」
「怒った〜」
「黙って」
「ねぇ」
肩を叩かれる
振り向くと人差し指指がわたしの頬にささる
「だまされた〜」
ニコニコ笑顔で言う
「ほんっと子供、友達できないんじゃない?」
「できたよ〜、一人」
「誰?」
「あんた」
「はぁ、友達じゃないし」
「俺が友達って言ったら、友達なの〜」
「意味わかんない」
ふいに見せる笑顔に引っ掛かる
人を引き付ける物をもっている
そう考えながら
佐々木は前、私は少し後を歩く