ガラガラッ
ドアが開いた
「おはようございます」
若い男の先生が挨拶しながら教室に入ってきた
「おはようございます」
みんなが挨拶を返す
「えっと、今日から一年間、15HRの担任を勤める、大崎輝といいます。みんな初めての高校緊張してると思うけど、これから楽しくなるからね」
自分の名前を黒板に書きながら、話している
「じゃ、出席とります」
みんなの名前を呼ぶ
「桜井・・・・、ごめん、下の名前が読めん。なんて読むんだ?」
「くうです」
いつものことだ
中学も小学生のときも、担任が変わる度に名前を聞かれる
「すまん、ありがと。珍しい名前だな。じゃ、次は佐々木京也」
「・・・」
先生は、私の隣の席の人を呼んだ
けど、まだ来ていなかった
「なんだ、入学早々遅刻かぁ?
ったく、しょうがねぇな。じゃ、次」
ガラガラッ
ドアが勢いよく開く
「佐々木京也です。遅れてすみません。ハァ、ハァ」
「どうしたんだ?寝坊か?」
「違います。道端に犬が捨てられてて、自分の家に置いてきたのでおくれました」
「動物のために遅刻するな」
「でも、あまりにかわいそうで・・・」
「もういいから、席に座れ」
「はい、すみません」
佐々木京也はスラッとしてて、顔立ちもよい人だった
「俺、ここ?」
いきなり、話しかけられた
「そう」
「じゃ、よろしく」
「こちらこそ」
話しは続かなかった