真顔で冗談まで言わないで欲しい。

私は温くなる前には飲み切ろうと、「ありがとう」と言って、キャップを開けた。



「仁志は、どうして海都より私と遊んでくれるの?」



ふと出た心にあった疑問に、仁志は「さぁ」と、言葉を濁した。

けど、その後に小声で言った。



「萌と同じだから」



この言葉の意味を、私はわからないまま、増える観客の姿を見つめた。

私と同じとは、なんだろうか。

仁志と重なる部分があるのだろうか。

失恋したの?

泣きたい事でもあった?



『会場の皆さーん、こんにちはーっ!!』



答えを見付けられないまま、ショーが始まる。