暖かい春が終わり、夏が本格的に始まった頃、私達3人は…
「彩乃ー!!はやくはやくー!」
「美秋先輩すぐ行きます!」
山小屋に来ています。
ことの始まりは、大学の夏休み前に美秋先輩から告げられた言葉からだった。
「え?旅行、ですか?」
「そう。映画サークルの旅行☆」
「あの大人数で旅行行くんですか!?」
この映画サークルは、自由なところがウリで何故かとても人気なサークルでサークルメンバーは50人弱いる。
その50人で旅行…?
「50人いるけど、いてもいないよーなメンバーでしょ?だからいつも騒ぐメンバーで映画合宿しない?」
「映画合宿ですか?」
「表向きは映画合宿。でも本当は旅行〜!!部費おろしてもらえるからさ。」
なるほど!!お金は大事ですよね。納得。
「彩乃と大和含めて6人。いつものメンバーでね。なんか春樹がたくらんでるみたいだけど気にせずね。ね、行こうよ。」
すごい楽しそうだけど…でも…
「ごめんなさい。私は参加できません。大和だけ一緒に連れて行ってあげて下さい」
「え?どーして?」
「斗真がいますから。斗真を一人にはできません。」
斗真を残してまで行きたいわけじゃないしね。
「あぁ、大丈夫大丈夫!!斗真君も連れておいで?」
「……へ?」
「当たり前じゃん。斗真君も参加するよーにしてるから。そんな薄情じゃないよ。」
え…?斗真も、参加なの…?
「とりあえず返事は明日にでも教えて?斗真君にも聞いてみてね。」
ま、とりあえず大和と斗真に相談かな。