「斗真、お前はどうしたい?」
莉乃姉の問いに、私達の視線が斗真に向く。
私に抱きついていた斗真は、泣いていた。
「りの、おれは……ここにいたい。」
斗真は泣きながら、満面の笑みを莉乃姉に向けた。
「おれ、りのだいすきだぞ。でも…あやのとやまとと、はなれるの…やだ。」
「そうか。」
「おれ、おれ…あやのとやまとがいちばーんすきだ!」
斗真…!
思わず斗真を強く抱き締めると、大和は私と斗真の頭を撫でてくれた。
「斗真、ありがと。彩乃も斗真が大好き!」
「俺も大好き!」
「へへー♪」
確実に、3人の中には強い絆が結ばれている。
それは過ごした時間だけじゃなくて、過ごしてきた家族としての空間のおかげで。
まだまだ足りない所がある私と大和だけど…
まだまだ泣き虫で抱え込む斗真だけど…
そんな未完成で不十分な私達だから、きっとこれからある試練だって乗り越えられる
そうでしょ?斗真、大和。
「……はは。…よろしい!」
「………へ?」
莉乃姉、どうしたの…?