「確かに、お姉さんの方が経済的にもきっと上で…斗真のためには良いと思います」
「わかってるじゃん。」
「でも、俺達3人は……もう家族です!」
大和……
「斗真を思う気持ちは本当の親にも負けない自信があります。斗真を母親としての愛情を向けてあげられるのは彩乃だけです。それはお金に変えられないものです!」
「……」
「そして斗真も彩乃も守ってやれるのは俺です。」
大和の思い、言葉に涙が止まらなかった。
思わず斗真を抱き締めると斗真も抱きついてきてくれた。
そうだよ、お金があるから幸せとは限らない。
私は、斗真がいて大和がいる。それだけで幸せだ。
斗真もきっとそう。書類上では私達は他人だけど、絆や思いなら他の家族以上にきっとある。
「もし、それでもお姉さんが心配ならば俺がもっと働きます!稼いで、絶対に斗真にも、もちろん彩乃にも不自由させません!だから、斗真を連れていかないで下さい!」
「莉乃姉…大和の言った通り、私達は家族なの。斗真に悲しい思いも辛い思いも絶対にさせない。誓うよ。だから私達3人を引き離さないで…お願いします!!」
もしも、斗真が行きたいって言っても…私は絶対許せない。
斗真の母親代わりは私。
私しかいないの。