「斗真、あたしと一緒に住むか?」
「りのと…?」
「おう。そしたらずっとあたしと一緒だぞ?」
「ちょっと待ってよ!」
なに言ってるの、莉乃姉は。
なんでそんなこと言うの…?
もう私と斗真、そして大和は家族なのに…
「彩乃は黙っとけ。斗真、どうだ?」
「莉乃姉!」
「おれ…!」
斗真が莉乃姉に口を開こうとした時、
「駄目です。」
大和が真っ直ぐな目を向けながら莉乃姉に言った。
「は?」
「斗真をお姉さんの所には行かせられません。たとえ斗真が行くと言っても、俺は認めません。」
「大和…」
真剣に、莉乃姉に告げる言葉は私と一緒の思いだった。
「あんたにどんな権限があんだ?あたしが引き取る。経済的にもそれが当たり前だと思うだろ?前は引き取る環境になかったが今は違う。引き取る環境にある。」
そんなこと言われたら、なにも言えない。
実際に斗真が来てからの斗真にかかるお金は8割は莉乃姉から出して貰っている。
私と斗真は本当に関わりがないけど、莉乃姉は斗真の親の友達で…所在がわかりやすいのも莉乃姉に決まってる。
莉乃姉が環境が整ったと言うならば本当に斗真を引き取る環境が整ったということになる。
そんな莉乃姉と比べて、私は何が残るんだろう…