その後、斗真二人でひとしきり泣いてリビングに戻ると大和が炒飯を作って待っていてくれた。





炒飯は大和が作れる唯一の料理だ。





よく見ると野菜炒めはなくなっていて、聞けば野菜炒めの野菜を炒飯に入れたとか。






斗真の炒飯にも野菜は入っていたが、本当に少しだけだった。






「これから少しずつ、克服していけばいい。焦らずやろうや。」



「…うん、そうだね。」






私は焦っていたのかも。と大和の言葉で気づいた。





これから先、斗真はもっとたくさんの食べ物を食べてまたそこから好き。嫌い。が増えていく。






そしたら、いま嫌いな野菜も好きになっているかもしれない。






今のまま、野菜嫌いな斗真ではいけないけれど時間はまだある。






ゆっくり、ゆっくり克服していけばいい。






そのサポートを私と大和で出来ればいい。






「やまとーおいしっ」



「そうか。たくさん食べろよ。」






私の作った料理で、斗真も大和も美味しいと笑ってくれること。それが1番嬉しいってこと忘れてたのかも。






一緒に頑張ろうね、斗真。