「彩乃、お前がしてきたことは絶対無駄じゃない。でも斗真の気持ちもわかってやれ。多分あいつも今苦しんでるから。」
あの暗い1人の空間で、斗真は苦しんでるかもしれない。
私だけが悲しくて痛いわけがない。
きっと斗真だって悲しくて、痛いよね。
私は大和に救われた。
なら、私は斗真を救わないと。
「大和、ありがとー。」
「おー。」
強く大和に抱きつき、エネルギーをもらって。
「…」
斗真のいる寝室まで来た。
斗真は鍵を閉めているので中には入れないからドアの前では斗真に話しかける。
「斗真、聞こえる?」
「………」
「斗真、ごめんね。」
「……!」
ドアに手を当てて、返事のない斗真に話しかける。
「彩乃ね、斗真の野菜嫌いなおしてほしかったの。だから、毎日野菜ばっかりでごめんなさい」
「……」
「でもね、それって彩乃が悪いよね。彩乃だって嫌いな食べ物あるのに斗真ばっかり食べさせて…」
大和が後ろから見守ってくれているのがわかる。
「斗真に嫌われちゃうのも仕方ないと思う。」
「………」
「でもね、彩乃は斗真が大好きだよ。」
「……!」
ずっとずっと、それだけは変わらないよ。
「斗真に嫌われちゃったけど、また好きになってもらえるよう彩乃頑張るから、出てきて欲しいの。」
お願い、斗真。