「ついに明日だなー。俺、スーツ着てったほうがいいかな?」
「送るだけなんだから私服で十分だよ。そのあと大学行くんだから。」
ただでさえ若いから目立つだろーに、スーツで行ったらもっと目立つじゃん。
「やまとーおれ、あしたおべんとーなんだぜ」
「弁当?」
「そ。斗真が通う保育士は週に3回はお弁当なんだって。で、明日はお弁当の日なの。それで斗真嬉しがっちゃって」
お弁当って知ったあとの斗真は毎日のように
{おれ、はんばーぐすき}
{あとおべんとーまでなんにち?}
とか、聞いてくるよーになっちゃって…めんどくさいんだよー。←
「おれ、すんごいたのしみ!」
にかっと、白い歯を見せて笑う斗真には、勝てないなーって最近思ってしまう私。
確実に、親バカへの道をまっしぐらって感じだよねー。
「いいなー、彩乃の弁当」
「おれだけだぞ!やまとにはないんだ!」
「彩乃ー、俺にも弁当ー…」
めんどくさい奴が増えてしまった…はぁ。
「はいはい、斗真。明日は早いんだから、もう寝よう。」
「おれ、やまととまだいたい!」
大和が来るのは基本的に夜だから、斗真のテンションがあがって寝なくなっちゃうんだよ。
だから昼頃に来てっていつも言ってたのに。もー。
「斗真一緒に寝てくれないんだー。なら一人で寝ようー」
「ごめ!あやの、おれ、あやのとねる!」
「よし、寝よう」
簡単だな、4歳児よ。