今日が最後のチャンスだったのに。 それでもできなかった。 もう、 ダメだ。 まあ、 こうなることもある程度予感はしてたけど。 そう思いながらカバンの中にある小さな赤い袋を触る。 「コハル? 今日空いてる?」 アヤカが声をかける。 アタシは慌ててお菓子をカバンの奥に突っ込む。 ぐしゃ。 …なんか鈍い音がした。 袋がつぶれる音? それより思い切り押し込んだから中のお菓子もつぶれた音? ヤバいな。