晩飯も終わりふと気付けば夜９時を回っていた。

日向はまだ帰って来ていない。


いつもなら８時前には帰って来ていてもおかしくはないのに。


……何かあったりしてないだろうな…

そんな嫌な予感が背中を伝う。


と――


家の電話が鳴った。

日向かと思い急いで出ると


――もしもし？柊也くん？

日向の母が意外そうな声で出た。


「どうしたんです？」

俺が聞くと

――それが、今日遅くなりそうなのよね…

うんざりしたような溜め息を漏らした。

そして

――日向は？

と尋ねてきた。

「いや…まだ帰って来てないんです」

ぼそりと俺が言うと

――珍しいわね…あの子がこんな時間まで帰って来ないなんて…

心配そうに呟いた。

バイトが遅くなったにしても連絡くらい入れて来るはずだ

あいつならそうする。