その倉庫に入った俺が見たのは

月明かりに照らされた日向の怯えた顔


その日向に覆い被さっている男


それを見た瞬間


俺は男に掴みかかっていた。


「なんだ!?おまえ!」
驚く男の言葉を無視し、力任せに顔を殴りつける。

一発
二発


妙に冷静だな…俺

いや、冷静なんかじゃない。

このままじゃこいつを殺してしまいそうだ


三発目をくらわしてやろうと腕を振り上げた俺を止めたのは―


「おじさん!もう止めてくださいっ!」

日向が俺の拳を両手で包んでそう嘆願した。


完全に止まる俺の動き。

「……止めてください……約束したじゃないですか…もう人を傷付けないって……」

日向はポロポロと涙を零しながら呟いた。


……ああ…
そうだな……
約束
したもんな…