日向の携帯は電源が入っていた。

開いてみると、どこかに電話をかけようとした跡がある

その電話番号は俺の携帯だった。

俺の携帯に日向から掛かって来たという履歴はない


つまり、電話を掛ける前に……


「…クソッ…!どこにいるんだ…日向…」


俺は歯痒い思いにイライラしながら日向を探した。


住宅街を抜けると、殺風景な場所になる。

小さな倉庫がある場所。

と――

嫌っ!


そんな女の子の悲鳴がかすかに

だけど確かに俺の耳に聞こえた。


「…今の…」

俺は悲鳴が聞こえてきた方へ走り出した。

これでも耳は良い方だ。

日向…!


無事だよな?