喫茶店を出て俺は日向を探した。


「日向!日向!」


もう帰ってるだと?

じゃああいつはどこに行ったんだ


まさか…


自分の暗い過去が蘇りかける

あいつにもしもの事があったら…

それは俺のせいだ。


「日向!」

住宅街に入って来ている。

もう少し行けば家がある。

もし何かあったとしたらこの辺だ。

そう思い駆け出そうとしたその時――

つま先に何かが当たった。


「…これ」

拾いあげてみるとそれは

俺も見慣れた日向の携帯だった。