あたし達は一緒に居る時間が長い。
あたしもナルも一人暮らしだったから、あたしはよくナルの家にご飯を食べに行った。
お礼に洗濯やお掃除をした。
家賃が勿体無いから一緒に暮らそうか、などという話もチラホラ…。

だから、周りに勘違いされてるみたいであたし達にはいつまで経っても恋人、というものが出来なかった。
けれどどこかでお互い恋人がいないことに安心していた。



自分に恋人が出来なくとも、
どうせこいつもいないんだし、
まぁいいじゃないか



そんな
意味の分からない安心をしていた。




アノコが現れるまでは…