仕事中はあたしはホール、ナルはキッチンだから話すことはなにもなかった。
だからあたしは仕事を辞めなかった。
新しい仕事探すの面倒だしあたしはこのバイトが気に入ってたし。





名前の出ない番号から電話が何回かあった。



番号なんか消したって意味ないよ
あたしは
この番号が
ナルだって
わかっちゃうんだから





そんな風に避け続けていたナルに1月の終わり頃、ついに休憩時間に捕まった。





「グミはなんで俺を避けてるんだ?」


「なんでって……」


「つか、なにシリアスになってんだよ。こんなの俺ららしくねぇだろ…」







「つか、こういうの面倒くさい。あたしは居心地がいいからナルの傍にいたのに、今は居心地悪い。それだけ」