そっか。あたしが浮気相手だったんだね。


ピンクベージュのリップグロスの女が本命なんだ。


そっか。分かった。全部分かったよ。


達也にとってあたしは遊びの女。都合のいい女。


だけど、それはお互いさまでしょ?


あたしだって達也が高級車に乗ってて年上でお金持ってて、友達に自慢できるから付き合ってたんだもん。


ただそれだけだし?


心の中で必死にそんな言い訳を繰り返してみる。



やっぱり、ナナの言うとおり……達也は最低な男だ。


そして、そんな男を好きだったあたしも最低な女だ。