鈍い音の後、地面に垂れ流しになるオレンジジュース。


少しづつ地面に染みが広がっていく。


「ちょっと遊んでやっただけなのに本気になってただろ?つーかお前、灰皿の中の煙草見つけて泣きそうな顔してたもんなぁ?」


勝ち誇ったような表情を浮かべる達也。


あたしは溢れ出しそうになる感情を抑えるために、グッと奥歯をかんだ。



なんだ。知ってたの?


知っててわざと煙草をそのままにしてたんだ。


ラブホのマッチもわざと置いておいたの?


あたしに見せつける為に。



「言っとくけど、俺浮気してねぇから。だってお前が浮気相手だし」