「俺が何したって言うんだよ!?あぁ!?」


急に大きな声を出してベンチの手すりを叩いた達也。


あたしは思わず体をビクッと震わせた。


何で怒ってんの……?


心臓がドクンドクンと不快な音を立てて鳴り続ける。



「ちょっと……落ち着いてよ」


「落ち着いてじゃねぇよ。お前、なんなんだよ!!」


顔を持ち上げてあたしを睨み付ける達也の瞳。


その瞳は怒りに満ちていて。


「意味分かんないよ……。どうしてあたしが責めらんなきゃいけないわけ?」


浮気してたのは、アンタでしょ?


なのにどうしてあたしが怒鳴られるの?


ねぇ、どうして……――?