「うん。純粋の純と恋ですみれ。あなたは?」


「俺は……秋川優輝(あきかわゆうき)」


「優輝かぁ……。っていうか、もう行かなきゃ!!じゃあね」


あたしは彼に無理矢理コーヒーを手渡すと、彼の横を通り過ぎて公園の入り口に向かって走り出す。


「……――おい!金!!」


「いいよ。出会えた記念にあげる」


振り返りながらそう言うと、彼は手元のコーヒーに視線を落とした後、


「わりぃな」


と言って優しく微笑んだ。


「どういたしまして」


そう返すと、あたしはそのまま達也の待つベンチに向かった。