「いいって。アンタだって飲みたくて買ったんだろ?」


「ううん、違う。気の利く女だって思われたくて買っただけ」


自分が手持ち無沙汰になるから買ったんじゃない。


本当は、達也によく思われたくて買ったの。


自分から別れようって言ったくせにバカだよね。


別れた今も達也によく思われたいと願っている自分が情けない。



「なんだそれ」


彼は怪訝そうな顔をした後、フッと表情を緩めた。