放課後。


あたしは山城君が入院しているという総合病院に足を運んだ。


5階の角部屋。


≪山城浩哉(やましろひろや)≫


というネームプレートの取りつけられている部屋をノックする。



「山城君、入るよ?」


ゆっくりと扉を開けると、ベッドに座って暇そうに窓の外を眺めている山城君がこちらを見た。


「……――えっ?何で白石がここに……?」


「何でってお見舞いだよ」


「だ、誰の?」


「山城君の」


「俺の見舞い?」


「そう。とりあえず、入るね」


目をパチクリさせている山城君にニコッと微笑むと、あたしは病室に入り、ギシギシとうるさいパイプ椅子に腰を下ろした。