「ねぇ、純恋。最近ちゃんと寝てる?」


「え?」


「ボーっとしてること多すぎだし、前の下のクマ凄すぎだから」


「そう?」


休み時間、不思議そうな顔をしたナナがあたしの顔を覗き込む。


優輝にも少し前にそんなことを言われた。


言われてみれば睡眠不足でボンヤリとすることが多くなった。


だけど、きっと睡眠不足のせいだけじゃない。


ふとした拍子で、あの夢を思い出して息が止まりそうになる。


優輝にもしものことがあったら……


そう思っていても、何もできない無力な自分が心底嫌になる。