ん~……貴志の好きなもの。好きなもの。前にカレーパンとか、今日もカツサンド食べてたから、カレーは嫌いじゃないんだろう。

でも、お弁当にカレーなんて持って来れるものだろうか?

冷めちゃうと食べにくいし、美味しくないし。

ここは手軽くサンドウィッチにでもするか。でも、手抜きなんて思われたら嫌だしな。

う~ん……。考えれば考えるほど選択肢が増えて、答えが出ない。

って、あれっ? 何故か分からないがさっきから三人の声が静まり返ってるぞ。


「どうして黙るのよ」

「ねぇ、百合。さっき言った事、本当?」

「は? ちょっと、何で真に受けてるのよ。冗談に決まってるじゃない」

「な、な~んだ。やっぱ冗談か。そっち系を百合が言うとハマり過ぎて冗談に聞こえないのよ」

「どういう意味よ」


ジト目で全員を睨む。

友人からよく聞く私の第一印象。


良家のお嬢様。

気が強そう。

シンデレラの義理姉役がハマリそう。

偶然、ぶつかった生徒にロザリオをあげてそう。

マジハマリコスメランキングお姉様と呼びたい部門第一位。


何だそれ? って思う。

確かに私の容姿の何処を見たって可愛らしいなんて単語が出てくるなんて思えないけど、そこまで言う事はないんじゃないかな。

言われてる方の身にもなれっての。こっちは普通の女の子のつもりだっての。