「告白、かぁ」
貴志はまだ私の膝枕で夢の中。
リスナー0の独り言を漏らし、少し黄昏気分。
告白――。そんな現実味を帯びているようで自分からは少し遠い単語が頭の中を駆け巡る。
何だかんだ言って彼女達は冷やかしながらも、きっと応援してくれているんだろう。
貴志の方からしてくれればどれだけ楽だろうな。そうすれば私はただ首を縦に振るだけで良いのに。
他力本願な自分が情けないけど、やっぱり怖いのだ。もしかして私って貴志にとって良い先輩止まりなのかな。
大体、告白してる自分っていうのも想像し難い。
ちょっと頑張って私から貴志に告白するシーンをシュミレーションしてみる。
「好きです。私と付き合って下さい」
「実は俺もずっと百合さんの事が好きだったんだ。俺で良ければ喜んで」
多分、こんな返事されたら泣いちゃう。
思いっきり貴志の胸で人目も憚らず、感激と安堵感で胸いっぱいになってわんわんと泣き出してしまいそう。
でも、相手は貴志だ。鈍感でお調子者で、でもそれが憎めない世界一私の心を振り回すのが得意な貴志の事だ。
こんなスムーズにいくなんて希望的観測に過ぎないのは分かってる。
貴志が相手だったらきっと――。