一晩考えて別の世界にいるんだろうことはなんとか理解した。


どうしてここにいるのかなんてわからないが


戻れないなら生きているのも辛い。


それならばいっそのこと罪人として処刑されたとしても構わないとさえ思っていた。



「お前は別の世界から来たと本気で言っているのか。普通の人間ならそんな話作り話としか思わない。まずは国王に会いお前の処遇を決めてもらう。」



自分の背丈の倍はあるであろう大きな扉の前。



――コンコン―――



「ルカです。失礼します。」


羽衣は今更だが彼の名前を知った。


まぁこれから殺されるのだから


名前などどうでもよいが。