「お部屋に入ってもかまいませんか?」 「はい。私は少ししたら戻ります。よろしくお願いします。」 アリーの背中を見送るとジャンは小さくひと呼吸して扉をノックした。 「ジャンです。少しよろしいでしょうか?」 しばらく中の様子を伺うもそこにあるのは静寂のみ。 「失礼しますね?」 拒否の言葉も聞こえてこないのを言い訳に ジャンは静かに扉に手をかけた。