「お邪魔するわ。」 鈴のように綺麗な声音と共に部屋に入ってきた人物に羽衣は絶句する。 「あら?あなた私を知ってるって顔ね。」 中庭で重なり合う2人を見たのはほんの一瞬だったが 羽衣は今目の前にいる女性がそうなのだと確信していた。 「…………あ…あの。どちら様ですか?」 「ご存じなんじゃなくて?」 開けられたカーテン。 大きな窓越しにジェシカの目に映るのは広い中庭。