「公務は予定より早く終わった為私は戻りましたが、ルカ様は私用で予定通り明日戻られますよ。」


事実を告げればあからさまにうなだれる羽衣。


そんな羽衣を見てジャンはついクスリと笑みを漏らす。



「羽衣様。お部屋の外に出れるようになったんですね。」



「えっ?はいっ。アリーが気分転換になるからと中庭に誘ってくれたんです。ルカ様が好きな場所に来たら寂しくないかなって。」


えへっ。と小首を傾げる姿はあどけないのに


自分では気がついていないのかルカへの好意と取れる大胆な発言。



ルカが聞いたらどんな表情をするのか。


想像しただけでも笑みが漏れる。



「そうですか。では明日に備えて今日はゆっくりお休みになられて下さいね。」



「はいっ。帰ったばかりでお疲れなのに引き止めてしまってごめんなさい。」



目尻を下げてペコッと謝る羽衣に


ジャンもまた胸が温かくなるのだった。