あの日から毎晩決まってアリーが自室へ戻った後
ルカは羽衣の部屋を訪れるようになった。
ルカの息抜きの場所はいつしか羽衣の部屋にかわってしまったようだ。
「羽衣も毎晩飽きないな。」
「そういうルカ様も飽きませんね。」
ルカがノックもせずに部屋に入って来ることはもうすっかり諦めてしまった。
お昼時に来る時は毎回アリーが注意しているが
ルカも懲りることなく無視している。
「毎晩キレイな月が見れて嬉しいです。」
バルコニーでふんわりと笑みを浮かべる羽衣。
「そうか。最近少し血色が良くなってきたな。」
羽衣は相変わらず痩せてはいるがルカが来るようになりご飯も少しずつ食べれる量が増えてきていた。