久しぶりに口に入れたご飯はどこか懐かしい味がして意図せずして涙が零れ落ち頬を伝った。



「まったく羽衣はよく泣くな。」



「えっ?」


「うちのシェフ一流だから旨いだろう。もう一口食べろ。」


ルカは羽衣の手からスプーンを奪うと


お粥をもうひとさじすくって羽衣の手に握らせる。



羽衣がそれを口に運ぶと2度3度とその行為を繰り返した。



流れるように繰り返される動作を羽衣は抵抗することも忘れ受け入れていたが


数口食べたところで胃のほうが先に根を上げてしまった。