辺りが暗闇に包まれだす。 暗闇が怖くてか、それとも夕方まで眠ってしまったからか、またそのどちらもか。 羽衣はベッドに身体を預けたものの眠れそうになく バルコニーへと足を向けた。 今夜はよく晴れていて 月が闇の中に浮かび上がり 煌々と輝きを放っていた。 その明るさに少し安心感を覚え その幻想的な光景に魅了され いつの間にか瞬きすら忘れる程に月を見上げていた。