「どうぞ。」
「おじゃまします。」
ルカの部屋は黒と白で統一されていて、洗練された大人な雰囲気だ。
一歩部屋に足を踏み入れればルカの香りが鼻を擽る。
まるでルカに抱き締められている錯覚を起こしそうな程に。
「ルカの匂いがする。」
ふんわりと微笑む羽衣に、ルカの心臓はまた早鐘を打ち始める。
「何か飲むか?」
ルカが気持ちを落ち着かせる為誤魔化すように問えば
「ん〜じゃぁ待ってて。何か持ってくるねっ。」
自分がそうするのが当然とばかりに部屋を出ていこうとする羽衣。
ルカは慌ててそれを制すと羽衣をソファーに座らせ、足早にダイニングへ向かい羽衣の好きなミルクティを淹れた。