羽衣はゆっくり身体を起こすと、首を傾けルカを見つめる。



「あ〜。うん。これから俺の部屋に来ないか?」



こんなに女性を誘うのは勇気がいるものだったか。



静かな部屋に心臓の音が響いてしまいそうな程ルカは緊張していた。



「ルカの部屋に?初めてだね。喜んで。」



羽衣はただ遊びに行くくらいにしか受けとめていないようで、それだけ純粋だということだろうか。



羽衣よりだいぶ大人なルカは、誘った時点で少しはよこしまな考えも脳裏に過るわけで…。



純粋な羽衣を前になんとなく緊張も半減されたように思うのは気のせいではないだろう。




そう遠くはない距離。
廊下を手を繋いで2人で歩く。




廊下の窓から見える月明かりは、キラキラ煌めいて、1人で見上げれば寂しくも2人で見上げればいつまでも見ていたい程の幻想さだ。