色白で、頬はほんのり桜色。



肩ほどまでの真っ黒い髪が良く映える。



ふっくらとした桃色の唇をちょっぴり引いて、澄まして笑う。



小さくて守ってあげたくなるような雰囲気は、まさに男が理想とする女の子そのものだ。



けれど、僕にとってはそれだけだった。



「こっちに来て」



僕は彼女に誘われるままに、後をついていく。



香水とは違ういい香りがした。



ような気がした。



教室を出て―――………気づくとそこは彼女の家の前。



急展開は、いつものこと。



「私の家だよ」



赤い屋根の一軒家。



庭が広くて、名前も知らない色とりどりの花が綺麗に植えてある。