いつもの理科の時間、いつもの女子がいつもの調子で篠崎先生を呼ぶ。





「先生ーわかんないよぉ」

「ん?どこが分からないんですか?」

「こことねぇ~???」

「こんなのもわかんないなんて・・・あなたバカだね~」

「バカじゃないもんっ///」

「クスクス……はいはい(笑)ここはね?」

「//////」







なによ。


ほんとは分かってるくせに分からないフリしちゃって。


顔赤くして。


なによ…

篠崎先生だって分かってるくせに。


この子ほんとは頭いいって。

なにもそんなに顔近づけて教えなくたって!





「ん?」





私の視線に気付いたのか

先生がふいにこちらを見た。





「晴香どうしました?」





先生は両手で頬っぺたを挟みながらこっちに近付いてくる。


それは先生が私をからかうときによくする癖。





「晴香?」

「べっ別にどうもしませんっ・・・」

「ふぅん?じゃぁなんで僕のこと見てたんですか?」





先生は腰を下ろし、机に手をついて私を上目遣いで見ている。





「ッ・・・///」

「クスッ・・・」





私はノートに


“授業中!”


こう書いて篠崎先生を睨んだ。





すると先生はクスクス笑いながら黒板の前に戻った。


・・・さっきの女子の視線がイタイ・・・。






もうっ・・・


バレたらどうするのよっ






私たちの


“秘密”が・・・。