次に三田は、プレス・チームを集めた。


  「プレス・チームだが、
   シュートを入れられたら、
   カーテンを使う。

   いいな、これは、動き出しだけだから、
   外の奴は、広く見ろよ。

   どこがが必ず空くはずだからな」


  「はいっ」


  「あとは、スピード勝負だ。
   向うは、速いけど、
   お前たちも、負けてはいない。

   スタミナでは、勝ってるかもな」


  「ユリ以外はねっ」


悪戯っぽい、佐紀の声がした。


  「えー、そんなこと、ないわ。
   まっ、ウチ、
   プレス・チームちゃうもん」


  「フロントに入ったら、
   とにかく、ボールを動かせろ。
   そして、時間をかけて、攻めるんだ」


  「はいっ」


  「その代り、ディフェンスは、
   ハーフの、ノーマルで行く」


  「ノーマルですか?」


  「そうだ。相手の土俵に乗る事も
   あるまい。

   バックから、スピードに乗せると、
   やっかいだからな」


  「はい、わかりました」


三田は、全員に向かって、


  「桃華には、ロー・スコア・ゲームで
   対抗する。

   相手のペースで、試合をするな。
   ロー・スコアに持ち込んで、
   向うのペースを崩し、
   こちらのリズムに、引き込むんだ」


  「はいっ」


力強い返事が、帰って来た。