話は、どんどん、違う方向にそれて行った。

梨沙が、

  「あ~、男子がいなかったのは、
   残念じゃん」


と言うと、佐紀が、


  「リサは、いつも、それだね」


桃子が、


  「サキは、ラブラブだから、
   いい、ニャン」


と言うと、佐紀は、目を伏せた。

それを見た桃子は、


  「えー~、違うのぉ」


と、大きな声を上げた。

あまりの大声に、自分でも驚いて、
思わず、あたりを見回した。

すると、華子が、


  「一度、訊こうと思ってましたけど、
   祐太とは、どうなってますの?」


すると、皆も、


  「別れちゃったの?」

  「フラれたの?」

  「フッたの?」


と、矢継ぎ早に、質問を浴びせた。

梨沙と友理は、何も言わず、佐紀を、
見守っていた。

佐紀は、しばらく、黙っていたが、やがて、
下を向いたまま、小さな声で、


  「しばらく、時間を、置こうって……」


  「祐太が、言いましたの?」


  「ううん、私が」


  「何で?」


  「最後の大会もあるし、
   その後、大学受験も……」


  「ダメだよ、そんなの。
   絶対、別の彼女、作っちゃうよ」


  「そうなったら、なったで、
   仕方ないと思う」