駅に着くと、友理は、車を降りた。


  「じゃあ、2人、連れて帰るから」


  「ありがとうございました」


久美子は、2人を乗せて、帰って行った。



佐紀達が来るまでには、少し時間があった。

友理は、三田から言われたことを、
考えていた。


  “サキだって、ホントは、
   やりたくないかもしれない。
   でも、キャプテンだから、
   逃げられないんだ。

   しかし、そこで立ち止まらず、
   あえて、自分から、飛び込んで行く。
   それが今のサキを、作っているんだ”


友理は、机に突っ伏している佐紀を、
思い出していた。


  “あそこまで、自分を追い込んで……”


そして、いろんな顔の佐紀を思い出していて
友理は、ハッと、気がついた。


  “今まで、自分が出来ない事で、
   文句を言われた事は無い”


佐紀の声が、頭の中でした。


  “ユリが、一生懸命やってるの、
   知ってるよ。
   だから、今まで通りで、
   いいんじゃないの”


  “サキは、自分が逃げ腰になると、
   声をかけて来た”


  “さっ、行くよ”


友理は、佐紀の気持ちがわかって、
泣きそうになった。