「高校のときにはほぼ決まってたろ、慎の進路は」



確かに、俺が高校のときには父親の立ち上げたブランドが軌道に乗り初め、進路はほぼ確定していた



「俺も和樹さんに慎の秘書を勧めらてたから決まっててさ」



「………初耳なんだが」


「初めて言った」



“和樹さん”とは俺の父親のことだったりするわけで、幸弘の言うことが正しいのなら俺の知らないところで話が進んでいる


余りにも気になる内容なので、思わず眉が寄ってしまう


困ったように笑った幸弘



「まぁ聞けって、和樹さんにさ話をもらったときに、一番最初の仕事が慎の近辺整理だったんだよ」



「………………」


「んで、調べてたらさ、翼ちゃんにたどり着いたの」