繰り返す言葉は俺に言っているのか、それとも父さんが自身に語っているのだろうか
微かだが視界が遮られていなかった右目には赤黒いものや、黒煙が見える
焦ったり、騒いだりなんかできなかった
漠然と迫る現実を見なかったことにすることに脳が必死だったのだ
つーちゃ…ん
つーちゃん……
迎えに行くよ
何処に行ってるの?
ちゃんと場所を教えてね
つーちゃん
「つ……ちゃ…んは、何処に出掛け…た…の…」
「慎…、つーちゃんは、今「何処に出掛けたの?」
「慎っ……」
その日を境に俺は約半年間の間、失語症に陥った
自らの精神を守るために小さな脳内で記憶も改竄した
いつの日か
俺の作り出した記憶は“現実”とすり替えられていたのだ
俺によって