住宅街というわけでもなかった俺の家の近くには交通網の入り交じる大きな道路がある



きっとそこまで行くんだろう



つーちゃんが立ち上がるのに合わせて俺も立ち上がった


バタバタと騒がしく玄関に駆け込み、小さめの青い傘を手に取った


一番最初に扉を開けて雨の降る外へと一歩踏み出した


数分すれば親たちも出てきた


つーちゃんは傘を持っていないので、濡れないようにと父親に抱かれていた


「車はどこに?」


「道路脇にとめてあるよ」



ぽつり


ひとりだけ小さな背丈で傘を持つ自分に小さな苛立ちを覚えたりした



雨は止まない


そのせいか、なんだか胸騒ぎがした