『あたしがアンタに惚れるわけないじゃん。』



そう言って、あたしはポンって、道の隅にあった小石を遠くに蹴飛ばす。


小さかったその石は、コロコロと坂道を転ぶように落ちていった。


…しかも、岩に当たって止まっちゃったし。



「そう?案外ポロッといくと思うよ、みぃちゃんみたいな強気な子は。」



そう言いながら、すれ違った女の子と手を振り合うあたり、アイツは本気ではないのだろう。


目線は女の子の方を向きながら、口先だけで答えられる。