「みぃちゃん。」



アイツがもう一度、優しい声であたしの名前を呼ぶ。


ゆっくりと、大切に。

あたしを慈しむように。あたしをなだめるように、あたしの髪に触れようとする。



『…いやっ!』



―…あたしはその手を、思いっきり振り払ったんだ。



「……っ」

『もう、止めて!』



アイツが叩かれたところを手のひらでさすりながら、顔を歪めてる。


そんなの、知らない。
そんな姿、見たくない。


アイツの痛そうな顔、見たくない。