『あ、あのさ…!』 パッ、パッと、嫌な空気をこの場から振り払うように。 無駄に激しく手ぶりをして、アイツに話しかけるあたし。 だけど、話す内容とか全然考えてなかったから、何を話せばいいかわからなくて。 ほぼ勢い任せに飛び出したのは、こんな言葉だった。 『颯って、英語教えるの上手いね!』 ……あぁ、あたしったら。 一体なんてことを口走ってるんだ。 「えっ…?」 ほら、どんな言葉が来ても上手くやり過ごすことができるアイツでさえ、面を食らったような顔してるし。