アイツに勉強を頼んだのは、やっぱり間違えだったのかもしれない。

もちろん、頭が良いだけあって、教え方は上手いけど。
自分1人じゃ、到底わかんない問題だけど。



…それでも、アイツがあたしを見てるって思うと、なんだか集中できなくなるの。

勉強が、はかどらない。



『……ねぇ!』



気まずくって。
こんな空気取り払いたくて。


場の空気を変えるために、半分勢いまかせにアイツに英語の質問をしようとした時だった。



―…ピリリッ、と。


愉快な、電子音。
音源は、アイツの携帯。