「ごめん」


そう言って俺から離れる椎菜。

気まずそうな顔を浮かべると、落ちた本を本棚に戻しだす。


「あとは、あたしがやるからいいよ!」


「いや…別に暇だし」


「でもっ…」


何?

そんなに俺といるのが嫌なわけ?


視線を合わせられないぐらい俺が嫌い?


止まらないイライラ。


自分でもわからない感情が頭の中を掻き乱す。