「ふぅ……。」
「あ、椎菜いた!!どこ行ってたの~??」
教室に入って机に突っ伏してたら由里が話しかけてきた。
佐々木由里
小学生の頃からの大親友。
「えっと、ちょっと図書館に。」
咄嗟に由里にウソをついてしまった。
だって、"いきなり俺の女になれ"って言われたなんて口が裂けても言えないもん!!
「そっか!!図書館に行くなら言ってよね。心配したんだから」
由里はそう言うと、プクっと頬を膨らませる。
由里、その顔は女のあたしでも可愛いなぁなんて思っちゃうよ。
由里はただでえ、モテる。
だからさっきの話を相談すれば、少しはスッキリすると思うけど……
「そんな…言えないよぉ」
「なにが?」
「な、なんでもないよっ!」
わわ、あたしったらつい言葉に出してた?
いけないいけない
次の瞬間。
『キャーー!!』
廊下から聞こえる黄色い女の子の声。。
耳にツーンってくる、、。
「わぁ、相変わらず王子も人気者だねー」
由里が関心したように、王子と呼ばれるその人を見ながら言う。
その先に目をやると…