ガララーとドアを開けると、いろんな薬品の匂いがツーンと鼻に染みる。


先生は…いないみたい。


確か2組が保健の授業だもんね


2組は廉のクラス


廉に三浦くんと居るとこ見られたら、怒るかな?


って


こんな事思ったら、保健室まで連れて来てくれた三浦くんに失礼だよね。


ふと、隣のイスに腰をかける三浦くんに目をやる。


一瞬、目が合うとプイッと外に目をやる三浦くん


「三浦くん?」


「"くん"はやめろ。翔太でいい」


え…


「でもー…」


「彼氏のこと?」

ためらうあたしに、眉をひそめる三浦くん。

その顔は、あの時と同じ


どこか寂しそうで…


目が離せなかった。